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 マ  イ  ク  ロ  カ  ー  ネ  ル
 release : 6.16/2002 update : 6.16/2002


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#02 インプット

【input】 "information fed into a data processing system or computer"



□一般に、あるゲームにおける連続的なプレイがプレイヤーのどれだけの入力によって実現されるかを定量的に表した数値を入力率 と呼ぶ。入力率 はそのゲームでのプレイにおける平均入力間隔(MTBI)と平均入力時間(MTTI)の関係から、

 MTTI 
入力率          
 MTBI + MTTI 

という計算式で得られ、算出値はそのゲームの「プレイにおける経済性」を示唆するものである。ここでひとつ重要な指摘をしておくと、多くのプレイヤーはなぜか、ある一定のプレイ時間においてより多くの入力・インタラクションを行う、つまり「入力率 が高い」ゲームを「得だ」を感じがちなのだが、もちろんそうではなく、より少ない入力・インタラクションで一定のプレイ時間を得られる「入力率 が低い」ゲームこそが「得」だと言えるのであり、その意味で「高度なゲーム」だと考えられるべきだろう。なお、この入力率 の解釈に関しては現在ビデオゲーム標準化機構(VSO)において議論が紛糾しているが、僕は断固前述の解釈を支持するものである…

□プレイヤーによる「入力」という行いが、コンピュータゲームにおいて一般に考えられるほど本質的な要素ではないことが、まず認識される必要がある。往々にして「入力」が実現しているものは、取るに足らない陳腐な応答に過ぎないのだ。たとえばサウンドノベルやヴィジュアルノベルのようなタイプのコンピュータゲームに、そのゲームのプレイ方法として「マウスボタンをクリックするとストーリーが進行します。」などと書かれていたとして、われわれは「ほう、マウスボタンをクリックするとストーリーが進行するのか」とありていに驚いたりしていてはいけない。実際のところ世の中のほとんどのストーリーは、別にマウスボタンをクリックしたりしなくても進行するのである。

□もちろん入力そのものはなんらかの形でなされるべきものだとしても、少なくともエンターテイメントを志向するインタラクティヴにおいては、「入力」はプレイヤーからそれを巧みに忘却させることこそに、その意味がある。プレゼントは思いがけないタイミングでなされることが望ましく、落し物は忘れたころに届けられるときにもっとも印象的であるのを思い出していただきたい。われわれは実際に「何かした」ときよりも、「何もしていないつもりだったのに、実は何かしていたらしい」と思う時のほうがより「何かした」ことの実感を強く持ついきものなのだ。









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