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■19981128


いったん、ハイラルから帰還する。そして、本体+ビジュアルメモリ+S端子ケーブル+キーボード+VirtuaFighter3tb。わかっていたことや想像していたことが、だいたいその通りだった。驚きはないが、失望もない。どちらの感情も、強調するにはいささか大袈裟だと思う。発売日に並ぶ人と、それを冷ややかに眺める人。この構図はたんに「状況として」反復されるのであって、個々人の「判断の妥当性に」基づくものではない。

■19981116


私が通った小学校の保健室の廊下の壁には、ニコチンの中毒性を説明した文章と、吸いすぎで真っ黒になってしまった肺の写真ポスターが貼ってありました。六年間同じポスターがずっと、ということではもちろんなく、掲示された時期があってそれを私がわりと鮮明に記憶していた、ということです。今月は青少年健全育成なんとかのキャンペーンが展開されているらしく、「親のホンキ」と称して「ぜったいに、ハタチまではタバコを吸わせない」という広告が電車の中に貼ってありました。写真は父と子のツーショット。そこには、保健室のポスターのようなタバコの害に関する記述はなく、切羽詰まった大人の意地だけが散文的に表明されていました。タバコ消費量を金額に換算すると、未成年者の喫煙はそのうちの約一割に相当するという話があります。未成年者喫煙防止法が施行されたのは明治三十三年。もうちょっとで百周年です。

■19981115


画面から受ける印象だけでいえば、大きく外すことはないけれども、びっくりするほど大当たりでもないだろうと想像します。GRADIUS IVR-TYPE DELTAのことです。外すにしても大当たりにしても、おそらくは「冒険」の結果としてであって、このふたつの続編に関しては、「普通」とか「順当」とか「妥当」とかいう言葉がぴったりだと思うのです。それとは逆に、「冒険」というかかなり変えてきたPrince of Persia 3Dは、あまり面白そうに見えない。ところが、同じようにかなり変えてきたGAUNTLET LEGENDSは、もしかすると面白いかもしれないと期待させるものがあるように思う。見た目だけの話ですが、それを控えなければならないほど、見た目を覆したゲームは多くないのです。

■19981113


ペンペントライアイスロンを触りました。斬新なアイデアがあるでもなし、人気アーケードゲームの移植でもなし、けっこうそうそうたる顔ぶれで作っていながら、まったく捉えどころのない、すなわち「売れそうにない」ゲームです。もちろん、この程度の予測は事前(触る前)にできますし、その予測を覆すような体験は事後(触った後、今の私)にも得られないでしょう。それを基本的に認めつつも、私は「もしかすると面白いかもしれない」と思ってしまいました。まず、アーケードゲームのようなきめ細かさを体現した画像であること。もうひとつは、コースをみっつのアクション(泳ぐ滑る歩く)に分割してあるのですが、そのつなぎ目がとても自然で、レースゲームとしてみれば、アクションの切り替え及び中断が、かえって新しいレースのリズムを生み出しているように思えること。もちろん、最初に認めたことはやはり認めています。でも、ちょっと欲しくなったのです。

■19981112


さよなら、さよなら、さよなら。さよなら。

■19981110


ゲームにかぎらないですが、自分が飽きたのならそうとだけはっきり言えばいいのに、つまらなくなったとかありきたりだとか、どうしてそういう話になるのか。そういえば、選ばれた勇者がさらわれたお姫さまを助けるというような筋立てが、ありきたりさの具体例としてしばしば取りざたされますが、実際にはそれは「具体例として」ありきたりなだけであって、ゲームの数としてそう多くはない。すなわち、ここで転倒が起こっているのですが、つまらなくなったとかありきたりだとかよどみなく語ってはみるものの、つまらなさやありきたりさということに関しての、きちんとした考えがあるわけではない、ということ。だから、飽きたのならそうとだけ言えばいいのに、という冒頭の見解となるわけです。ちなみに、そういう転倒した連中は、たとえば、「ポケットモンスターはRPG」という基本的な「事実」すら忘れていると思う。正確には事実性。この転倒は、(「ポケットモンスターはRPG」という事実の)事実性を抹消する。

■19981109


噂の後継機というと、はたして売れるのか売れないのか、そういうことがとても気になるらしいのですが、私はそんなこと知らねえよとできるだけ声を大にして言いたい。なぜなら、という接続はいちおう避けますが、いずれにせよ、今そういうことをさも重要そうにしゃべる人種は、かつて「ソニーもセガも結局は任天堂に敗れるだろう」などと得意げに語っていた人種とほとんど重なっていると思います。

■19981101


噂の後継機というと、謎のベールに包まれたそれらしい呼称と、またいかにもそれらしいスペックが囁かれるというのが相場かと思いますが、PS2という呼称はぜんぜんそれらしくない。有り体にいえば格好悪い。どうしてこんなつまらない呼称が一般化してしまっているのか。こんな呼称で盛り上がれるのか、みんな。それってぜんぜんプレステらしくないじゃないか、みんな。きっとソニーも嫌がっているぞ、みんな。ていうか、プレステらしさってなんなんだ?


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